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東京都杉並区の歴史
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所在地 杉並区上荻2

 薬罐坂やかんざか

 この坂道は薬罐坂と言われていて『豊多摩郡誌』(大正5年〔1916〕刊)には「大字上荻窪本村に俗称薬罐の転がり居れる奇怪事ありて、この名を得たるよし。雨の深夜など、今も時として薬罐出ずるなど云うものあり。」と書かれています。
 今でも地元には、次のような言伝えが残されています。雨のある夜、八丁通りで一杯飲んで、家に帰る途中、ほとんど人家のない下り坂を歩いていると、真赤に焼けた大きな薬罐賀道路のまん中に転っていた。一杯ひっかけて良い薬罐は、ころころと下り坂を転がり落ちていった。この話が広まり、その後も何人もの人が、焼けて真赤になった薬罐を見たということから、誰言うともなしに薬罐坂の呼び名がついたと言うことです。
 今とはちがい交通の開けていなかった区画整理前の薬罐坂は、両側に樹木の茂った薄暗い、道幅も狭い急坂で、大八車などを引いて通るには、大変な坂道でした。そのさびしい坂には、狐狸のたぐいがすんでいて、いたずらをしたということが、この様な伝説を生みだしたのかも知れません。
 通称地名には、昔の杉並をしのばせるものがたくさんあります。薬罐坂の地名も大切に伝えてゆきたいものです。
 平成3年(1991)3月 杉並区教育委員会


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